鈴木研究室は、東京大学柏キャンパス基盤科学実験棟を拠点とされています。主な研究テーマは、低速から光速(高速の間違いではありません)までの流体力学及び気体力学全般です。 その中でも特に、太陽系探査/宇宙航行/将来型航空機に関する研究を精力的に行っています。
鈴木研のテーマは流体力学全体です。柏キャンパスの極超音速風洞高エンタルピー風洞やCFD計算機シミュレーション、Deep Learning等を駆使し、マッハ5以上の極超音速流から微小低速流れまで広くカバーしながら、隕石や大気圏突入機周りの流体の解析から火星航空機の翼上などの低レイノルズ数流れ、砂の粒子の流体的振る舞い等様々な対象を研究しています。世の中は流体でできており、人間の体は勿論、宇宙自体も流体で出来ているとも言えますので、チャレンジできる研究テーマは無限にあります。鈴木研究室では想像力を活かして学生に自由にテーマを選んで自由に研究することを思い切り楽しんで頂けることを目指しています。
研究室ゼミ日程
研究室紹介動画
柏キャンパス極超音速熱風洞は、秒速1200mに達する超高速流れと、最高1000Kにもなる超高温流れを作り出す実験装置です。 本設備は超高速、超高温流れを実験室で体感した経験を持つ人材の育成と、超高速および超高温の流体力学とその応用におけるフロンティアの開拓を目的として います。 本設備は2006年3月に設置工事が完了しており、2006年7月から通風試験を行いました。テスト終了後は,所属・分野を問わず、できるだけ広い範囲の研究者に極超音速・高温気流の実験設備として提供する共同利用設備として運用しています。
風洞の説明
風洞の見取り図
本研究室の実験設備は、柏キャンパス基盤系実験棟に集中的に配置されています。
真空チャンバー
ガンタンネル
超音速風洞
探査機が惑星大気に突入する際や、スペースシャトルが宇宙から帰ってくる際には、その前方に生じる強い衝撃波のために周囲の気体が電離してプラズマになります。このプラズマが宇宙機に著しい空力加熱を与えます。
我々の研究室では、このような環境を地上で再現できないかと考え、誘導加熱方式を用いたプラズマ風洞を研究・開発しています。プラズマを生成する際に電極を用いないため、クリーンな気流を得ることができます。このプラズマ風洞の分光計測、プローブ計測、及び数値計算を通して、超音速プラズマ流背後の物理現象の解明を目指します。
地上で宇宙空間を再現するための装置です。ロータリーポンプ、ディフュージョンポンプという2種類のポンプによって、10-2~10-3程度の真空環境を実現します。この真空チャンバーを用いて、炭素シールドのアブレーション実験や平板に衝突する希薄噴流がつくる特異な圧力分布に関する実験を行っています。
研究室で開発した2段式高エンタルピー型ガンタンネルで、マッハ10の極超音速流をつくることができます。空気力の測定、薄膜温度センサや熱電対を用いた温度測定、放電を用いた流れの可視化実験などを行っています。また、本装置により突入型惑星探査機の小型模型を加速することで、小天体への突入形状を調べる研究も行っています。
本郷キャンパスには低速風洞が設置されています。飛行機の性能や、宇宙往還機の離着陸時の特性を調べるための装置です。昭和13年に建設された物で、現在でも宇宙往還機の離着陸時に翼から発生する渦の研究や、電気飛行機の研究などに使われています。
本郷キャンパスには超音速風洞が設置されています。気流のマッハ数は2で、衝撃波の性質や超音速機の特性を調べるための装置です。学生実験などに使われています。